vol.21 大牟田市石炭産業科学館
石炭の歴史と重要性を再認識するためのテーマ・ミュージアム
今から約530年前の1469(文明元)年、三池の稲荷山にのぼった農夫伝治左衛門と妻は、岩陰で焚き火をしたところ、岩と思った黒石がとろとろと燃えだしたのに驚いた。これが「燃える石」(石炭)の発見である。大牟田と石炭を結ぶ長い歴史の第1ページは、この時に始まった。
大牟田市は明治時代以降、その石炭に日本の産業・経済の発展に大きく貢献してきた。そして今、石炭は重要な石油代替エネルギーとして需要が見込まれ、さまざまな石炭利用技術の研究がなされている。
大牟田市石炭産業科学館(以下、「石炭館」と略す)は、1995年7月に大牟田市によって設置され、石炭の過去の歴史を展示するだけでなく、石炭の現在・未来にも目を向け、今、クリーンコール・テクノロジーという技術により、地球環境を汚さないエネルギーとして生まれ変わろうとしている石炭への認識を深めることができる施設となっている。外観は、一見FUOが地上に着陸したようなユニークな形をしている。
石炭館の構成は、次のように、大きく4つのゾーンに分かれている。
(1)導入部分では、高さ3メートルに及ぶ石炭層が出迎えてくれる。石炭層をくぐり展示室に入ると、写真や映像、模型を使って、発見されてからの石炭と大牟田の歴史が紹介されている。中でも、作曲家團伊玖磨氏の祖父團琢磨氏の功績は特に詳しい。三池炭鉱の近代化にもっとも貢献した人物である。
(2)「ダイナミックトンネル」では、炭鉱マンと同じようにゲージ(エレベーター)に乗って地下400メートルまでさがり、模擬坑道に入ることができる。そこには採炭作業現場が広がっており、採炭用カッター、電気機関車、貨車など三池炭鉱を支えた巨大な機械の実物が展示されている。
(3)ダイナミックトンネルを出ると、「エネルギー体験コーナー」がある。空気や熱、光の力などを使ってエネルギーとは何かを楽しく体験しながら、考えることができる。また、石炭や環境問題についてパソコンを使って学習する「石炭百科」も自由に操作することができる。
(4)地球をイメージした円形の「映像ホール」では、地球誕生から石炭ができるまでの歴史、石炭と人類との出会い、人類繁栄とエネルギー利用の増大、そしてエネルギーと地球環境問題などについて、光と音を駆使しながら映像により紹介する。
また、図書館には石炭関連の本やビデオが備えつけられており自由に閲覧できる他、屋外展示場には坑内の天井を支え、作業員や採炭機械の作業空間と安全を確保していた機械が年代順に展示されている。
そのほか、石炭館では毎年、石炭産業の歴史やエネルギーに関連する特別展示やコンサートなどの文化事業を行っており市民の親しまれるミュージアムづくりに取り組んでいる。
▼大牟田市岬町6-23▼JR大牟田駅から車で5分。西鉄バスは白金営業所から徒歩20分▼9時30分~17時▼月曜休館(祝日の場合翌日)▼小人200円、大人400円▼駐車場あり▼電話 0944(53)2377
このページは大牟田市役所に勤務する主査・主任で構成する互助組織「大牟田市役所主査・主任会」で編集され発刊された「大牟田の宝もの100選」の中から紹介するページです。 発刊時のデータをそのまま引用していますので、問合せ先等に変更がある場合があります。ご確認をお願いいたします。
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